『GKアプリについて』取材
社員同士、また、社員と会社間のコミュニケーションを活性化させるため、独自に開発した“GKアプリ”を導入しているグローバルキッズ。一体どんなアプリなのでしょうか。総合プロデューサーの近藤裕資さん、製作・開発管理担当の庄司勝也さん、アプリ運用担当の中山通子さん(以下敬称略)にお話を伺いました。
想いが届かない……そんな経営課題からアプリ開発に着手
――3カ月の製作期間、その後のテスト運用を経て、2018年7月20日に待望リリースされたGKアプリ。(GK=Global Kidsの略称)開発のきっかけは、総勢3,000名もの社員を抱えるグローバルキッズならではの“経営課題”だったといいます。
近藤:「グローバルキッズでは、現場で働く社員一人ひとりが社員用メールアドレスを所有しておらず、会社と社員が直接コンタクトをとる手段がありませんでした。伝達事項にしても、会社が各施設の施設長に通知し、施設長が現場の社員に伝え……という形をとっていて、なかなかうまく伝わらないことも。これが永らくの経営課題でした」
庄司:「実際、働く社員からも『会社の方針が見えにくい』という声があがっていて。一人ひとりにコンタクトできるツールの必要性はずっと感じていましたね。それに、“どういう考えで、それを実施するのか”をダイレクトに届けることで、どんな取り組みもより心に響くものになるのでは……という想いもあって。それがアプリ開発のきっかけですね」
つくりたかったのはアプリではなく社員の“大切実感”
――GKアプリの主な5つの機能は、日々の内容を自由に写真が投稿できる“フィード”、投稿を検索できる“検索”、自分の活動履歴が確認できる“マイページ”、必要な情報を届けてくれる“お知らせ”、そして、各園の情報や会社の規定、マニュアルといった会社全体の情報を集めた“ライブラリ”。便利な機能が満載ですが、近藤さんたちが本当につくりたかったのは、アプリそのものではないといいます。
近藤:「コミュニケーションツールには色々ありますが、グローバルキッズは社員の年齢層が比較的若いこともあり、スマートフォンでできる“アプリ”というツールを選びました。女性ユーザーの多いSNSを参考にしながらそのイメージで、GKアプリが社員同士の写真を通したライトな交流の場になればなと。そういえば、GKアプリには“いいね”を押せる機能もあります。気軽に“いいね”できるよう、匿名で押せるようにしています。ただ、それだと面白みに欠けるので、コメント欄を設け、誰が投稿したのかが分かるようにしています。ある保育士がつくった、子ども用の木のおもちゃの写真には『お店で売れそうだね!』なんてコメントがされることも。保育の現場では行事ごとの製作物の写真をシェアして楽しんでいるみたいです」
中山:「会社から現場へスムーズに情報を伝達する“縦のコミュニケーション”だけでなく、 いまの例のように社員同士が連帯感を持てる“横のコミュニケーション”が実現できるのがGKアプリの魅力。働く施設が異なれば社員同士の交流があまりないのが通常ですが、グローバルキッズの社員たちには、施設という狭い世界にとどまらず、3,000人という大きな組織の一員であると感じてもらいたい。この“社員の大切実感”こそが、GKアプリの基本コンセプトでもあるんです」
近藤:「実は、プロジェクト開始当初のアプリのコンセプトは“保育のモヤモヤを解消する”というものでした。でも、なんだかしっくりこなくて。あるとき偶然にも庄司がつくっている社内報に載っていた“社員の大切実感”という言葉に、『これだ!』と。社員一人ひとりがGKアプリを通じて、会社に大切にされていると感じてほしい。このコンセプトに決めたのは、そんな想いからです」
GKアプリは今後ますます進化予定
――IDを持つ社員ならば誰でも自由に投稿できるGKアプリ。リリースから約2カ月がたった現在、社員からの評判も上々だそう。しかしながら、開発チームは今後のさらなる改良を目指しているのだとか。
庄司:「GKアプリのアカウントは、個人だけにではなく、各園にも付与しています。個人では投稿しにくいとためらう人、携帯電話などの端末を持っていない人は、施設のパソコンやタブレット端末からのログインもOK。現在、社員のログイン率は8割を超えています。あとの2割は、産休・育休などの休職者なので、実質ほとんどの社員がGKアプリにアクセスしてくれているんじゃないかな。とはいえ、この数字はあくまで“ログイン率”。もっと活用してもらえるようになるまで、もう少し時間がかかるかもしれませんね」
中山:「情報を紙で配るのでなく、WEB媒体で配信できるようになったのは、やはり大きな進歩ですね。たとえば、嘔吐物の処理の仕方なんかは、書かれた文字を読んで情報を得るよりも、映像で実際の手順を追うほうが断然掴みやすいと思いますし。そういったマニュアル的内容を動画コンテンツとしてどんどん増やしてほしいという声も保育現場から多くあがっています。GKアプリはこれからもっと進化しますよ!」。
庄司:「保育って、言葉や絵では伝わりづらい部分があるんですよね。そこを具体的に映像化して、きちんと形に残していくのが我々の新たな使命かなと。現状は、面白くて楽しくて便利……そんなGKアプリですが、今後はもっと保育現場からの要望を集め、それに沿ったカスタマイズをしていきたいですね」
おわりに
「アプリには、“GKアプリマン”というキャラクターが登場するんです。どうです、私の顔に似ているでしょう?」そう楽しそうに語ってくれたのは近藤さん。“輝いた大人を子どもたちに魅せる”というグローバルキッズの理念をまさに地で行く姿です。頼もしいコミュニケーションツール“GKアプリ”を活用するグローバルキッズで、あなたも社員として輝いてみませんか?